ボストン美術館 浮世絵名品展
・鷹狩り行列(歌麿)
・青楼仁和嘉女芸者之部 扇売 団扇売 麦つき(歌麿)
・やどり木(写楽)
・雪松に鶴(北斎)
・富嶽三十六景 尾州不二見原(北斎)
次点
桔梗にとんぼ(北斎)
水曜のお昼ごろに行ったのだが、ご高齢の方で混雑していた。
日本美術はやはりお年寄りに人気があるようですね。
時代順に見ていくと、歌麿、写楽、北斎がこのジャンルの独創的な天才であることが改めて分かる。
歌麿にたどり着くと、浮世絵の世界が、職人の世界から芸術家の世界へと変わる感じ。
急に風通しが良くなる。線の鮮度と構図のバランス感覚がまったく違う。
そして、北斎でその世界は幕を閉じる。広重は全くつまらない。
歌麿の鷹狩り行列は素晴らしかった。ある文化の爛熟の極まりを象徴する作品。時代と様式と天才との幸運だが必然的なめぐりあい。
この作品のスタイルは、ゴーギャンのいくつかの重要な大作を連想させた。どこかで影響を与えているのではないか。
写楽のやどり木。こんな面白い似顔絵ってあるだろうか。
北斎の天才はあらためて言うまでもない。日本美術史のおそらく最大の巨人です。
アメリカ人がこんなに浮世絵を買ったのは、歴史の浅い国が、歴史の長い国に対して持っているコンプレックスが発現したのかも知れない。
日本の不動産会社がエンパイアステートビルを買って、アメリカ人のヒンシュクを買った事件をなぜか思い出した。
歴史の浅い文化様式の中に生きる現代日本人は、江戸の歴史的に一貫した文化蓄積に対し、コンプレックスを感じているのではないだろうか。
自国の過去に対してのコンプレックスってのが、妙なようだが存在すると思う。
鎖国って悪くないんじゃないか。今年開催された大琳派展も思い返すと、こんな感想も湧いてきた。
現在の日本と江戸の共通点の一つは、平和が長く続いているということ。その影響で文化が女性化しつつあるということも。
今年は源氏物語千年紀でもあるが、「平和と文化の女性化」は日本の美術・文学を考える上でひとつのキーワードになるのかも知れない。

